急性膵炎様症状が先行し, 劇症1型糖尿病と考えられた1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Fulminant Type 1 Diabetes after Development Syndrome Similar to Acute Pancreatitis
  • キュウセイスイエン ヨウ ショウジョウ ガ センコウ シ ゲキショウ 1ガタ トウニョウビョウ ト カンガエラレタ 1レイ

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抄録

症例は38歳女性. 身長149cm, 体重45kg. 平成15年3月7日より心窩部痛が出現し近医受診, 膵酵素の上昇を認め13日当院消化器内科紹介となる. 初診時, 尿糖 (-), 血中アミラーゼ434IU/l , リパーゼ740IU/l と上昇, 腹部超音波検査で軽度膵腫大があり, 急性膵炎の症状と考えられたが, 全身状態も良好で軽症のため外来治療とした. その後16日より口渇が出現し, 18日の再診時, 血糖413mg/dl , 尿ケトン強陽性で糖尿病性ケトアシドーシスを認め入院加療となった. 入院時HbA1c 5.4%, GAD抗体陰性で尿中CPR 12.4μg/日と低値, などから劇症1型糖尿病と考えられた. 劇症1型糖尿病では発症時に膵酵素の上昇が認められることが多いが, 本例では高血糖出現の約1週間前より急性膵炎様の消化器症状と膵酵素の上昇を認め, 数日内に内因性インスリン分泌が枯渇し糖尿病発症に至った. 劇症1型糖尿病としては比較的稀な経過と考え報告する.

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 48 (Supplement1), A63-A66, 2005

    一般社団法人 日本糖尿病学会

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (6)*注記

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