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- 三浦 恭之
- 東海大学理学部化学科
書誌事項
- タイトル別名
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- Ion Chromatography for Rapid and Sensitive Determination of Inorganic Sulfur Anions in Their Mixtures
- ムキ イオウ インイオン コンゴウブツ ノ ジンソク コウカンド イオン クロマトグラフィー
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抄録
相互に共存する硫化物イオン,亜硫酸イオン,硫酸イオン,チオ硫酸イオン,チオシアン酸イオン,ジチオン酸イオン,ポリチオン酸イオン(トリ,テトラ,ペンタ及びヘキサチオン酸イオン)といった硫黄陰イオンのイオンクロマトグラフィー(IC)を研究した.イオン交換カラムを用いるICでは炭酸塩-1,3,5,-ベンゼントリカルボン酸塩(BTC)溶液,炭酸塩-アセトニトリル溶液及びフタル酸塩の溶液を溶離液として用いた.架橋度の低いスチレンジビニル共重合体の弱酸性陽イオン交換樹脂カラムを用いるイオン排除ICにはアセトニトリルを含む希硫酸溶液を,また,シリカODS(octadecyl silica)カラムを用いるイオン対生成ICにはテトラプロピルアンモニウム塩(イオン対試薬,TPA)を含むアセトニトリル水溶液をそれぞれ移動相として使用した.BTCやフタル酸塩は溶出力の強い溶離剤であるだけでなく,サプレッサーカラムによってほとんど非解離型の分子にも変えることがでたことから,BTCを含む炭酸塩やフタル酸塩の溶離液が硫黄化学種の迅速分離・高感度電気伝導度検出ICに使用することができた.硫化物イオン,亜硫酸イオンとチオ硫酸イオンはヨウ素を還元し,また硫化物イオン,チオシアン酸イオン,チオ硫酸イオンと4種のポリチオン酸イオンはヨウ素とアジ化物の反応の速度を接触的に促進する.これらの反応を間接紫外(UV)吸光検出法のポストカラム反応に利用することにより,分析感度の大幅な増大を達成した.TPAを含むアセトニトリル水溶液の移動相は230 nmより長波長領域でほとんど光吸収を示さないため,チオ硫酸イオン,チオシアン酸イオンとポリチオン酸イオンは直接UV吸光度測定することにより簡便に高感度分析することができた.このときの検出限界は10-7 Mレベルであった.また,本ICを温泉中の硫黄化学種の分析に応用した結果,良好に分析できることが分かった.<br>
収録刊行物
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- 分析化学
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分析化学 54 (8), 651-664, 2005
公益社団法人 日本分析化学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679331132032
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- NII論文ID
- 110002910466
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- NII書誌ID
- AN00222633
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- COI
- 1:CAS:528:DC%2BD2MXos1GmtLk%3D
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- NDL書誌ID
- 7453458
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- ISSN
- 05251931
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- Crossref
- NDL-Digital
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可