自然気胸術後に肺血栓塞栓症を合併した若年者の1例

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  • A case of pulmonary thromboembolism after operation for spontaneous pneumothorax in a juvenile patient

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抄録

21歳男. 主訴は胸痛. 胸部X線上左気胸を指摘され当院紹介となった. 入院後胸腔ドレナージを施行したが気瘻は改善せず, 胸腔鏡下左肺部分切除術を施行した. 手術時間26分. 術中輸液バランスは+687ml. 術後第1病日体動時呼吸困難あり. 動脈血ガス分析でPaO2の低下がみられた. 胸部造影CTで右肺動脈内に一部欠損あり, 肺血流シンチで右下肺野に欠損像を認め肺塞栓症と診断した. ヘパリンとワーファリンによる治療で低酸素血症は改善し, 第6病日には酸素投与不要となった. 退院前の肺血流シンチで右下肺野の欠損像は消失していた. 肺塞栓症発症後の精査で抗カルジオピリン抗体陽性を示したが, 抗リン脂質抗体症候群の診断基準は満たさなかった. 低リスク若年者気胸症例においても術後肺血栓塞栓症に注意を要する.

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