成人における口腔健康習慣と口腔保健状況との関連

  • 田村 道子
    東京都新宿区健康部:東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科環境社会医歯学系専攻国際健康開発学講座健康推進歯学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Relationship between Oral Health Behavior and Oral Health Status in Adults
  • セイジン ニ オケル コウクウ ケンコウ シュウカン ト コウクウ ホケン ジョウキョウ ト ノ カンレン

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抄録

成人においてどのような歯科保健行動, 健康習慣が口腔の健康状態に影響しているのかを調査することを目的に, 新宿区歯周疾患検診を受診した40, 50, 60歳の2,343名を対象に, 成人の口腔健康習慣と口腔保健状況との関連について分析を行った.歯の健康に影響する保健行動(口腔健康習慣)として, 定期的な歯科健診, 歯石除去の受診, 補助的清掃用具の使用, 十分な時間をかけた歯磨き, フッ化物配合歯磨剤の使用, 非喫煙, 口腔内の自己観察, 喫煙の歯周疾患に及ぼす影響の認識, 現在歯数の認識の9項目を選び, これらの口腔健康習慣の実践項目数と口腔内状況との関連について検討を行った.その結果, 歯周疾患検診を受診した者においては, 口腔健康習慣を数多く実践している者ほど歯周組織が健康で, 未処置歯や喪失歯が少ないことが判明し, 生活習慣と歯の健康との関連が明らかになった.また, 口腔健康習慣を多く実践している者にかかりつけ歯科医を有する者が多いことがわかった.口腔健康習慣の各項目は, 容易に家庭で実践することが可能な保健行動・生活習慣であり, 患者が歯科医院を受診した機会を捉えて歯科保健指導を繰り返し行い, 口腔の健康への関心を高めて健康習慣を実践していくように働きかけを行うことが, かかりつけ歯科医の役割として大切であると考察された.

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参考文献 (43)*注記

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