不けん化物のガスクロマトグラフィー/質量分析法による油脂の法化学的な異同識別

書誌事項

タイトル別名
  • Forensic Discrimination of Unsaponifiables of Fats and Oils Using Gas Chromatography/Mass Spectrometry
  • フケンカブツ ノ ガス クロマトグラフィー シツリョウ ブンセキホウ ニ ヨル ユシ ノ ホウ カガクテキ ナ イドウ シキベツ

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抄録

法化学的分野で,これまで詳細な研究が報告されていなかった油脂の不けん化物に注目し,ガスクロマトグラフィー/質量分析法(GC/MS)を用いて油脂相互間の異同識別を試みた.その結果,不けん化物中からは,動物油と植物油の識別の指標となるステロール類をはじめ,フィトール,ロウ分のけん化より得られた高級アルコールなど様々な種類の物質が検出された.ごま油のセサミン,からし油のカプサイシン,つばき油のスピナステロールなどのように,油脂の種類を特定できる物質も検出できた.分析の結果,植物油では不けん化物のみで32種類すべての油脂の識別ができ,動物油では不けん化物のみでは19種類が13種類に分類可能であった.したがって,本研究の不けん化物のGC/MSは,油脂の異同識別に極めて有効な方法であった.<br>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 54 (11), 1091-1100, 2005

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (21)*注記

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