アニリンのβ‐シクロデキストリン包接錯体微結晶を用いた固相‐液相不斉酸化重合

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タイトル別名
  • Chiral Oxidative Polymerization of Aniline in Solid-Liquid System via Formation of Micro-crystalline .BETA.-Cyclodextrin Inclusion Complex
  • アニリンのβ-シクロデキストリン包接錯体微結晶を用いた固相-液相不斉酸化重合
  • アニリン ノ ベータ シクロデキストリン ホウセツ サクタイ ビケッショウ オ モチイタ コソウ エキソウ フセイ サンカ ジュウゴウ

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抄録

アニリンの微結晶性β-シクロデキストリン (β-CD) 包接錯体 (1 : 1) とペルオキソ二硫酸アンモニウム (APS) が含まれる中性の冷水溶液内で固相-液相酸化重合を行った. 反応は, ホスト分子内でのステップ-成長重合により大部分が被覆されたポリアニリン (PANI) として得られた. 包接錯体の酸化を空気雰囲気下あるいはアルゴン気流下で行うと, 塩基性エメラルディン (EB) とロイコエメラルディン (LE) が得られ, それぞれの分子量 (Mn) は970000と480000であった. 反応固体の熱分析, XRDスペクトルの変化, さらにその固体内EBのヨウ素酸化が完全に抑制されたことより, アニリンはβ-CDに被覆された状態で重合したものと推定できた. 反応固体から得られた裸のPANIは, 強い右旋性と円二色性を示し, その主鎖の配座がキラリティーの要素となる光学活性高分子であることがわかった.

収録刊行物

  • 高分子論文集

    高分子論文集 63 (5), 331-340, 2006

    公益社団法人 高分子学会

参考文献 (35)*注記

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