IPMNの治療方針  主すい管型IPMNの治療方針

  • 村上 義昭
    広島大学大学院医歯薬学総合研究科病態制御外科学
  • 上村 健一郎
    広島大学大学院医歯薬学総合研究科病態制御外科学
  • 林谷 康生
    広島大学大学院医歯薬学総合研究科病態制御外科学
  • 首藤 毅
    広島大学大学院医歯薬学総合研究科病態制御外科学
  • 橋本 泰司
    広島大学大学院医歯薬学総合研究科病態制御外科学
  • 末田 泰二郎
    広島大学大学院医歯薬学総合研究科病態制御外科学

書誌事項

タイトル別名
  • Therapeutic strategy for main duct intraductal papillary-mucinous neoplasms of the pancreas

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抄録

主膵管型intraductal papillary-mucinous neoplasm (IPMN) の治療方針について, 自験例の検討と国際コンセンサスガイドラインの要旨をもとに概説した. 主膵管型IPMNでは, 分枝型IPMNに比べ腺癌症例が高率で, 術前診断では, 術前膵液細胞診陽性例は悪性, 術前閉塞性黄疸合併例は浸潤癌が高率であったが, 全体的には良悪性の鑑別, 非浸潤・浸潤癌の鑑別は困難であった. 腺癌症例が高率に見られること, 術前の良悪性の診断が困難なことより, 主膵管型IPMNは全例を手術適応とするべきである. 手術々式としては, 浸潤・非浸潤癌の術前診断が困難なこと, 浸潤癌には高率にリンパ節転移などの膵外進展が認められることより, 膵の部分切除などの縮小手術は施行すべきではなく, 2群リンパ節郭清を伴う膵切除術が施行されるべきである. 膵断端の術中迅速病理診断は必ず施行すべきで, 膵断端にcarcinoma in situ, 浸潤癌, PanIN 3などの病変が認められるときは追加切除を施行すべきである.

収録刊行物

  • 膵臓

    膵臓 20 (6), 493-500, 2005

    一般社団法人 日本膵臓学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (30)*注記

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