炎症性腸疾患―病態に基づく新しい治療法の展望  再生医学的アプローチからの新規治療法の開発―組換えヒトHGFを用いた傷害粘膜再生・修復療法―

  • 井戸 章雄
    京都大学医学部附属病院探索医療センター探索医療開発部
  • 沼田 政嗣
    宮崎大学医学部第二内科
  • 児玉 眞由美
    宮崎大学医学部第二内科
  • 坪内 博仁
    京都大学医学部附属病院探索医療センター探索医療開発部 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科消化器疾患・生活習慣病学

書誌事項

タイトル別名
  • Development of an innovative therapy for inflammatory bowel disease using recombinant human hepatocyte growth factor to facilitate intestinal mucosal repair

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抄録

炎症性腸疾患には抗炎症に主眼をおいた既存の治療に抵抗する難治例が存在する.近年,消化管粘膜の再生・修復に関わる増殖因子が明らかとなり,傷害粘膜の再生・修復を促進する新規治療法の開発が期待されている.肝細胞増殖因子(HGF)は消化管粘膜の重要な再生・修復因子であり,実験腸炎モデルでは傷害粘膜の再生・修復を促進する.我々は,組換えヒトHGFの臨床応用を目指しているが,難治性で再発を繰り返すとはいえ生命が脅かされることが少ない炎症性腸疾患を対象とする場合には,増殖因子であるHGFの発癌リスクに理解が得られるような正当性,また局所投与を可能とするドラッグデリバリーシステムの開発が必要である.<br>

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参考文献 (41)*注記

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