IABカテーテル留置位置の変化に関する検討

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Abstract

【要旨】近年,大動脈内バルーンカテーテル(IABカテーテル)は,人体への侵襲の軽減や安全性向上のため材質の改良やシャフト径の細径化がはかられているが,IABカテーテルの留置位置の変化による大動脈損傷などの合併症も発生している。最近では,これらのトラブル対策のために柔軟性の高い樹脂系の新素材を使用したIABカテーテルが増えてきているが,柔軟性の高い樹脂系新素材は保持力の低下が懸念される。そこで今回,IABカテーテルのセントラルルーメンの素材と留置位置の変化の関係について検討した。その結果,金属系素材は留置位置の変化が最も少なく保持力が高く,樹脂系新素材はその安全性の高さから最近のセントラルルーメン素材の主流ではあるが,留置位置の変化が最も大きく,保持力の弱さが示唆された。以上のことから,金属系素材のような高い保持力と,樹脂系新素材のような高い安全性を確保できる柔軟性をもつIABカテーテルが必要と考えられる。

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