蛸壷型心筋症による心原性ショックに対しPCPSを施行し救命し得た1症例

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【要旨】蛸壷型心筋症は,左室心尖部の無収縮と心基部のみが収縮する心筋機能障害である。その心筋機能障害は可逆性であり予後は良好である。今回我々は,開心術術後に発症した蛸壷型心筋症による心原性ショックに対し,PCPSを施行し救命に至った症例を経験したので報告する。症例は53歳,女性。僧帽弁置換+MAZE手術後,手術室にて抜管しICUに入室した。術後第1病日にECG上で広範なST上昇,QT延長,低心拍出量症候群を認め,急性心筋梗塞疑いにて緊急冠状動脈造影施行。有意狭窄は認めなかった。冠状動脈造影後の心臓超音波検査にて蛸壷型心筋症と診断された。薬物療法,IABPの補助は効せず,遷延する低心拍出量症候群に対しPCPSを開始。PCPS開始3日目より心機能の回復が見られ,6日後にPCPSを離脱した。PCPS時間は134時間30分であった。本症例に対し,PCPSによる補助循環は多臓器不全への移行を防ぎ,救命することが可能であった。

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