自己抗体の産生機序とその病原性  関節リウマチと抗シトルリン化タンパク抗体

  • 松井 利浩
    独立行政法人国立病院機構相模原病院リウマチ科

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タイトル別名
  • Antibodies to citrullinated proteins in rheumatoid arthritis

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抄録

  リウマトイド因子(rheumatoid factor : RF)は,関節リウマチ(RA)において最も盛んに研究されてきた自己抗体であり,アメリカリウマチ学会の1987年改訂RA分類基準の中の一項目に挙げられている唯一の血清マーカーである.RFはRA患者の約80%に検出されるものの,他の疾患でも少なからず検出され,その特異度は決して高くはない.ここ数年,RAに特異度も感度も高い新たなるマーカーとして,抗環状シトルリン化ペプチド(CCP)抗体が注目を集めているが,RAの診断のみならず関節破壊予後予測因子としての有用性も報告されている.今回の総説では,特にこの抗CCP抗体に注目し,RAにおける抗CCP抗体の臨床における有用性,RAにおけるタンパクのシトルリン化とそれに対する自己抗体の産生機序および病因性について,最近の知見を含めて述べさせていただく.<br>

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