ミトコンドリア機能異常と老年病 Mitochondrial dysfunctions and age-associated diseases

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抄録

老化仮説には, ゲノムや蛋白質のエラー (変異) 蓄積説, 活性酸素種 (ROS) 原因説などがあるが, ミトコンドリアはROSの主要な発生器官であり, また独自に mitochondrial DNA (mtDNA) を持つため, 両仮説と密接な関係がある. 近年, ミトコンドリアの機能障害が, 加齢に伴う臓器障害, 変性疾患, 生活習慣病や老年病の発症や進行に関与しているのではないかとして注目されている. 特に加齢に伴うmtDNA変異の体細胞における蓄積が観察されており, mtDNA変異の蓄積が加齢や変性疾患の発症に関与するという説がある. これらのmtDNA体細胞変異 (somatic mutation) が生じる機序は明らかではないが, 近年, mitochondrial neurogastrointestinal encephalomyopathy (MNGIE) やmtDNA複製酵素 (POLG) 異常症のような, 核DNAの異常が原因で二次的にmtDNA変異が蓄積し, 全身性の様々な臓器障害を呈するヒトミトコンドリア病が相次いで報告されている. 特に MNGIE は, 全身のmtDNAに多様な変異, 多重欠失 (multiple deletions), 量的枯渇 (depletion), さらに配列特異的な点変異 (site-specific point mutation) が蓄積し, 特徴的な臨床像を示す. これらの疾患におけるmtDNA損傷の蓄積メカニズムを検討することは, ヒトの加齢に伴う臓器障害や老化機構を解き明かす上で, 極めて重要な鍵になると考えられる.

収録刊行物

  • 日本老年医学会雑誌  

    日本老年医学会雑誌 43(3), 274-282, 2006-05-25 

    The Japan Geriatrics Society

参考文献:  50件

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各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    10018178336
  • NII書誌ID(NCID)
    AN00199010
  • 本文言語コード
    JPN
  • 資料種別
    REV
  • ISSN
    03009173
  • NDL 記事登録ID
    7993447
  • NDL 雑誌分類
    ZS21(科学技術--医学--内科学)
  • NDL 請求記号
    Z19-25
  • データ提供元
    CJP書誌  NDL  J-STAGE 
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