肝膿瘍・下大静脈血栓を合併したクローン病の1例

  • 中田 博
    埼玉医科大学総合医療センター消化管・一般外科
  • 大澤 智徳
    埼玉医科大学総合医療センター消化管・一般外科
  • 横山 勝
    埼玉医科大学総合医療センター消化管・一般外科
  • 石田 秀行
    埼玉医科大学総合医療センター消化管・一般外科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Crohn's Disease Complicated by Liver Abscess and Thrombosis in the Inferior Vena Cava

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抄録

クローン病に肝膿瘍・下大静脈血栓を合併した稀な1例を経験したので報告する。症例は20歳, 男性。5年前より小腸大腸型クローン病と診断されていた。今回, 小腸-小腸間の瘻孔に対する手術目的で入院した。術前CTで右下腹部に腹腔内膿瘍と, 肝S6-7に大きさ5.3cm×6.0cmの肝膿瘍が疑われた。また, 腎下極の下大静脈に造影されない部位を認めた。クローン病に伴う肝膿瘍・下大静脈血栓と診断した。手術を延期し, 抗菌薬投与とヘパリンによる抗凝固療法を行ったところ, 4週間後のCTで肝膿瘍・腹腔内膿瘍は著明に縮小し, 下大静脈血栓も消失した。開腹所見では, 回腸末端と口側回腸との間に瘻孔形成を認めるのみで, 肝膿瘍や腹腔内膿瘍は確認できなかった。回盲部切除を施行した。術後6カ月経過した現在, 腹痛・発熱の症状を認めていない。

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被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (16)*注記

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