日本の子どもの発達コホート研究の開始に当たって  計画の紹介

  • 榊原 洋一
    お茶の水女子大学子ども発達教育センター 総括研究グループ

書誌事項

タイトル別名
  • [Introduction of the cohort study on the cognitive/behavioral development of Japanese children (Japanse Children's Study)].

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抄録

科学技術振興機構では, ミッションプログラムとして, 生育環境が子どもの社会性をはじめとする心の発達に及ぼす影響について知見を得ることを目指し, 約5,000人の子どもを対象としたコホート研究を当面5年間 (最長10年間) 縦断的に観察するプロジェクトを評価を受けた上で2006年度より開始する. 対象となる乳児に対しては, 詳細な生育環境についての質問紙調査に加えて, 行動観察 (年1-2回), 心理観察, 心理テスト, 集団行動観察を行い, 必要に応じて非侵襲的脳画像検査 (光トポグラフィー, fMRI) を行う予定である. 本コホート研究によって, 子どもの認知, 言語発達, 社会性の発達と生育環境, 教育環境との相関ないしは因果関係のみならず, 頻度の高い発達障害や早期症状などについての知見が得られることが期待される. さらに, 子どもの認知能力や社会性を酒養する環境は何か, という子育てや教育に有用な知見も明らかになるだろう.

収録刊行物

  • 脳と発達

    脳と発達 38 (4), 260-261, 2006

    THE JAPANESE SOCIETY OF CHILD NEUROLOGY

被引用文献 (2)*注記

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