微細水滴を含む過熱水蒸気によるジャガイモの1次加工処理 Blanching of Potato with Superheated Steam Containing Micro-droplets of Hot Water

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抄録

115℃のアクアガス,115℃過熱水蒸気ならびに100℃の熱水にてジャガイモの加熱処理を行った.加熱媒体からジャガイモへの熱伝達率を測定した結果,アクアガスの熱伝達率が最も高かったが,加熱処理中のジャガイモ中心部の温度履歴に加熱媒体間の差は見られなかった.また加熱処理によるジャガイモ中のペルオキシダーゼ失活の進行にも加熱媒体間の差は見られなかった.この原因は,いずれの加熱媒体による加熱処理においてもジャガイモ表面における熱伝達は十分に大きく,ジャガイモ内部温度変化はジャガイモ自身の熱拡散係数に律速されていたためであったことが,ジャガイモ内部における熱伝導シミュレーションの結果から確認された.<BR>また,それぞれの加熱媒体により加熱処理されたジャガイモの品質を比較した結果,アクアガスならびに過熱水蒸気により加熱処理されたジャガイモが熱水にて処理されたジャガイモと比較して,硬さも保たれ色彩も良好であった.走査型電子顕微鏡によるジャガイモ微細構造の観察結果,熱水により加熱処理されたジャガイモにおいては熱水への固形成分の溶出が推察された.このことから固形成分の溶出の有無が加熱処理されたジャガイモの品質に影響を及ぼしたと考えられた.またアクアガスによる加熱処理では過熱水蒸気処理と比較して質量減少を抑制することができた.更に,アクアガス処理によりジャガイモ表面に塗布した<I>B. subtilis</I>胞子を死滅させることが可能であった.<BR>以上のことからアクアガスを用いることにより,熱水による加熱処理と比較して良好な品質にて,また過熱水蒸気処理と比較して小さな質量減少にて,ジャガイモのブランチングを行うことが可能であると結論付けられた.またアクアガスを用いて加熱処理されたジャガイモを無菌状態にて保存することにより,高品質なジャガイモの長期間貯蔵が可能になると期待された.今後はジャガイモの酵素失活に必要な加熱温度条件等を詳細に検討し,アクアガスにより加熱処理されたジャガイモの貯蔵性ならびに貯蔵されたジャガイモの品質変化について解明していく予定である.

A newly developed oven system, which generates superheated steam consisting of micro-droplets of hot water (Aqua-gas) by spraying heated water into a heating chamber, was applied to the blanching of potato. It was thought that the micro-droplets would increase the heat transfer coefficient of the heating medium to the extent that they would prevent the deterioration of foods due to drying during the heating process. Blanching of the potatoes was conducted using Aqua-gas (115°C), superheated steam (115°C) and hot water (100°C). The thermal properties of the heating mediums and the qualities of the potato processed with the heating mediums were compared. Though a greater heat transfer coefficient was measured in the Aqua-gas, no significant differences were observed in temperature distributions or the progress of peroxidase inactivation among the heating media. Heat transfer simulations showed that the temperature distribution in the potatoes was only dependent upon thermal diffusivity of the potato since the heat transfer coefficients of the heating mediums were sufficient. The potatoes processed with the Aqua-gas and with the superheated steam were firmer and brighter than the potatoes processed with the hot water. In addition, weight loss of the potatoes was reduced and any <I>Bacillus subtilis</I> would have been sterilized by the Aqua-gas.

収録刊行物

  • 日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology  

    日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology 53(9), 451-458, 2006-09-15 

    Japanese Society for Food Science and Technology

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各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    10018254888
  • NII書誌ID(NCID)
    AN10467499
  • 本文言語コード
    JPN
  • 資料種別
    ART
  • ISSN
    1341027X
  • NDL 記事登録ID
    8048808
  • NDL 雑誌分類
    ZP34(科学技術--食品工学・工業)
  • NDL 請求記号
    Z17-126
  • データ提供元
    CJP書誌  CJP引用  NDL  J-STAGE 
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