鼠径部肉腫の腫瘍塞栓により深部静脈血栓症をきたした1例

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タイトル別名
  • A Case of Deep Vein Thrombosis Due to Tumor Embolism Originated from Inguinal Sarcoma

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抄録

<p>症例は34歳,女性.6カ月前から左鼠径部腫瘤に気付き,2カ月前に突然左下肢の腫脹,疼痛をきたした.超音波検査では左大腿静脈周囲に腫瘍を認め,血栓あるいは腫瘍で左大腿静脈から腸骨静脈の内腔は閉塞していた.左大腿静脈周囲の軟部腫瘍,とくに静脈原発平滑筋肉腫を疑い,これに伴う腫瘍塞栓および深部静脈血栓症と診断し,手術を考慮した.術前日に一時型下大静脈フィルターを留置し,左鼠径部に皮膚切開を加えると,腫瘍は左大腿静脈の直上にあり,内腔へ浸潤し,腸骨静脈内で腫瘍塞栓となっていた.左大腿静脈から腫瘍塞栓および血栓を摘出した後,腫瘍とともに左大腿静脈を約7cmにわたって切除し,リング付きePTFE人工血管8mmで置換し,左大伏在静脈を端側吻合して再建した.病理組織学的所見はmalignant peripheral nerve sheath tumorであった.術後10カ月で左鼠径部局所再発をきたした.</p>

収録刊行物

  • 静脈学

    静脈学 17 (4), 245-250, 2006

    日本静脈学会

参考文献 (13)*注記

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