各科手術における麻酔関連薬物破棄量の検討

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  • The Wasting of Drugs in Different Anesthesia Subspecialties

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抄録

  平成17年の4週間に群馬大学医学部附属病院で行われた全身麻酔予定手術222例における麻酔関連薬物破棄量を検討した. 麻酔方法は, 患者の年齢等を考慮しながらプロポフォール1~2mg/kg, ベクロニウム0.1mg/kgで導入し, 亜酸化窒素4l/分-酸素2l/分-セボフルランでの麻酔維持を基本とした. 麻酔導入時の血行動態の変動に対しての各種薬物使用は各担当麻酔科医の判断とした. 心臓・血管外科手術の麻酔方法は, ミダゾラム0.1mg/kg, フェンタニル10μg/kg, ベクロニウム0.1mg/kgで導入し, プロポフォール4~6mg/kg, セボフルラン0.5~1.0%とフェンタニルの間欠投与で維持し, フェンタニルの使用量は最高20μg/kgまでとした.222例の注射器の平均使用本数は8.8±8.5本, 全破棄した薬物の金額は142±343円, 一部破棄した薬物の金額は954±876円であった. プロポフォールは222例中169例で破棄があり, 平均残量は88±48mg, ベクロニウムは222例中162例で破棄があり, 平均残量は4.5±2.8mg, エフェドリンは222例中156例で破棄があり, 平均残量は34±7mgであった. プロポフォール, ベクロニウム, エフェドリンは7割以上の症例で破棄されていた. 麻酔科医は使用しなかった麻酔関連薬物量およびその金額を正確に把握し, それらの量や金額を減らすことに注意することも肝要であると思われる.

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