都市開発とクオリティ・オブ・ライフに関する考察

書誌事項

タイトル別名
  • Urban Development and Quality of Life
  • 都市開発とクオリティ・オブ・ライフに関する考察--大規模商業施設開発と生活環境の変化に着目して
  • トシ カイハツ ト クオリティ オブ ライフ ニ カンスル コウサツ ダイキボ ショウギョウ シセツ カイハツ ト セイカツ カンキョウ ノ ヘンカ ニ チャクモク シテ
  • 大規模商業施設開発と生活環境の変化に着目して
  • A case study of large-scale shopping mall development and its impact on living environment

この論文をさがす

抄録

「生活の質」の向上が都市計画においても重要な課題として位置づけられるようになった。日本のこれまでの都市計画は、高度経済成長を荒削りで支えた量としての都市計画であり、ハード整備(Physical Planning)に力点が置かれていたが、今後は、「生活者のための都市計画」、「人々のための都市計画」が大きく問われている。本研究では、熊本市郊外に出店が続く大規模商業施設と周辺に居住する子どもを持つ世帯への生活環境調査を事例に取り上げ、都市開発とQOLについて考察することを目的とする。大規模商業施設の出店によって、周辺の生活環境が変化(悪化)したと答えた95%の世帯からは、交通渋滞やそれに伴う事故の発生が出された。大規模商業施設周辺に住んでいても施設利用には車を利用しているのも事実である。子どもを持つ世帯にとっては、大規模商業施設は消費活動の利便性、嗜好性に貢献しているものの、生活環境全体を通して見た場合には、様々な環境の変化(悪化)という現実に直面している。子どもたちの安全な生活環境や安心して遊べる空間が、車社会を助長する大規模商業施設の開発によっても排除されている。

収録刊行物

  • 都市計画論文集

    都市計画論文集 41.3 (0), 1031-1036, 2006-10-25

    公益社団法人 日本都市計画学会

被引用文献 (3)*注記

もっと見る

参考文献 (9)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ