可溶性トリス(8‐キノリノレート)アルミニウム含有デンドリマーの発光特性

  • 古酒 慎也
    千歳科学技術大学光科学部物質光科学科
  • 丸山 純夫
    独立行政法人 物質・材料研究機構 (NIMS)
  • 雀部 博之
    千歳科学技術大学光科学部物質光科学科
  • 安達 千波矢
    千歳科学技術大学光科学部物質光科学科 独立行政法人 科学技術振興機構 (JST) 国立大学法人 九州大学未来化学創造センター

書誌事項

タイトル別名
  • Photoluminescence Characteristics of Dendrimers Containing (tris (8-hydroxyquinoline) aluminum) as a Core Unit
  • 可溶性トリス(8-キノリノレート)アルミニウム含有デンドリマーの発光特性
  • カヨウセイ トリス 8 キノリノレート アルミニウム ガンユウ デンドリマー ノ ハッコウ トクセイ

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抄録

本報では, 可溶性トリス (8-キノリノレート) アルミニウム含有デンドリマーの発光特性について報告する. トリス (8-キノリノレート) アルミニウム (Alq3) およびその誘導体は有機ELデバイスにおいて代表的な電荷輸送材料および発光材料として知られているが, 溶解性の低さから真空蒸着法を代表とする乾式法においてのみ用いられてきた. 今回報告するAlq3含有デンドリマーはデンドロン部に可溶性に富む分子骨格を有するため, 塩化メチレンなどの凡用有機溶媒に可溶である特徴を有する. 本研究では, 2種類のデンドリマーおよびデンドリマーを構成するデンドロンおよびコア単体 (AlClq3) について, 希薄溶液中での吸収, PLスペクトルおよび発光寿命を測定した. また, デンドリマーをポリメタクリル酸メチル (PMMA) 中に分散させたスピンコート膜と単独スピンコート膜においても同様な測定を行った. これらの光学特性から発光部位のπ共役系を帰属し, π共役系はAlq3部分からデンドリマー全体には広がらず, デンドロン部からコア部のキノリン配位子部分に局在していることが示された. また, デンドリマーは固体薄膜においてΦPL=20~40%の比較的高いPL量子効率を示したものの, ELデバイスではΦEL~10-2%のEL量子効率に留まった.

収録刊行物

  • 高分子論文集

    高分子論文集 63 (10), 675-680, 2006

    公益社団法人 高分子学会

参考文献 (22)*注記

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