延髄梗塞による嚥下障害の予後に関する文献的考察と機能訓練の有効性の検討

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タイトル別名
  • Prognosis of Patients of Dysphagia due to Medullary Infarction in Domestic Literature and Effectiveness of Training for Dysphagia by Physical Therapists
  • エンズイ コウソク ニ ヨル エンゲ ショウガイ ノ ヨゴ ニ カンスル ブンケンテキ コウサツ ト キノウ クンレン ノ ユウコウセイ ノ ケントウ

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抄録

1980年以前の延髄梗塞報告例(非訓練群)の中で,嚥下障害の予後が推定できた男性39例,女性16例の55例のうち,55例が経口摂取可能になった。16~71歳で,平均年齢は50.7±12.4歳であった。発症から経口摂取が可能になるまでの日数は1~150日で,平均30.5±25.5日,中央値は28日であった。1984年から2005年の間に当科にて機能訓練により経口摂取が可能になった延髄病変に伴う嚥下障害症例(機能訓練予後良好群)は男性6例,女性2例の8例で,年齢分布は42~77歳,平均50.7歳であった。発症から機能訓練開始までの日数は24~569日,平均187.1±212.1日,中央値は73.5日であった。経口摂取が可能になった日が確認できた症例6例の機能訓練開始から改善までの平均日数は24.1±8.3日,中央値は23.5日であった。機能訓練予後良好群の発症から機能訓練開始までの期間は,非訓練群よりも有意に長かったことから機能訓練を行った延髄梗塞による嚥下障害症例が,経口摂取が可能になったのは,原因疾患の自然回復によるものではなく機能訓練によるものであることが示唆された。

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参考文献 (71)*注記

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