甲状軟骨形成術が奏効した声帯溝症の1例

  • 岡本 伊作
    東京医科大学八王子医療センター耳鼻咽喉科·頭頸部外科
  • 中村 一博
    東京医科大学八王子医療センター耳鼻咽喉科·頭頸部外科
  • 吉田 知之
    東京医科大学八王子医療センター耳鼻咽喉科·頭頸部外科
  • 竹之内 剛
    東京医科大学八王子医療センター耳鼻咽喉科·頭頸部外科
  • 鈴木 衞
    東京医科大学耳鼻咽喉科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Successful Thyroplasty for Sulcus Vocalis
  • 症例報告 甲状軟骨形成術が奏功した声帯溝症の1例
  • ショウレイ ホウコク コウジョウナンコツケイセイジュツ ガ ソウコウ シタ セイタイ コウショウ ノ 1レイ

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抄録

声帯溝症の治療には,側頭筋膜移植術,シリコン注入術,脂肪注入術,音声治療,など多数の報告がある。今回われわれは,甲状軟骨形成術I型+II型を施行し,奏効した症例を経験したので報告する。症例は72歳男性,主訴は嗄声であった。聴覚印象はG(3)R(2)B(3)A(1)S(3),MPTは8秒,F0は191 Hz,ストロボスコピーで両側声帯遊離縁に溝を認め声帯溝症と診断し,溝のより深い左側にI型を施行した。術後気息性嗄声は改善したが,ピッチに関しては満足が得られなく,また溝がわずかに残存していたため,左側のI型の再施行と両側のIV型を追加した。術後はG(1)R(1)B(0)A(0)S(0),MPTが25秒,F0は223 Hzに上昇した。以上より甲状軟骨形成術I型は声帯溝症の声門閉鎖不全を解消するのに有用であった。また,IV型を追加することでより患者の満足がいく音声が得られた。

収録刊行物

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (14)*注記

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