特異的G_<q/11>阻害薬(YM-254890)の薬理学的プロファイル Pharmacological properties of a specific G_<q/11> inhibitor, YM-254890

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抄録

我々は土壌細菌QS3666株が生産する新規環状デプシペプチドYM-254890が,ADP惹起ヒト血小板凝集を強く阻害することを発見した.詳細な作用機構の検討を行った結果,本剤は特異的なG<sub>q/11</sub>阻害薬であり,作用点はG<sub>q/11</sub>のGDP/GTP交換反応であることが判明した.YM-254890はADP刺激後の[Ca<sup>2+</sup>]<sub>i</sub>増加,P-セレクチン発現および血小板shape changeを阻害した.また,本剤はコラーゲン,TRAP,アラキドン酸,U46689惹起血小板凝集をADPと同様に阻害したが,PMA,リストセチン,thapsigargin,A23187惹起血小板凝集を阻害しなかった.YM-254890は,高ずり応力条件下における血小板凝集やコラーゲン表層上での血小板壁血栓形成を阻害するばかりか,種々のin vivo血栓症モデルにおいても強力な抗血栓作用を発現し,血栓溶解剤との併用効果も確認された.さらに,YM-254890はマウス血管内膜肥厚モデルにおいて,血管傷害3週間後の内膜肥厚形成を抑制した.しかし,本剤はG<sub>q</sub>ばかりではなくG<sub>11</sub>も阻害することから強い末梢血管拡張作用を有し,全身投与では降圧用量との安全域が狭いため,その臨床応用には慎重な用法用量の設定が必要と考えられた.そこで,ラットラウリン酸誘発下肢壊死モデルにおいて,ラウリン酸傷害後の動脈内に単回投与を行ったところ,既存薬であるPGE<sub>1</sub>やクロピドグレルより強い薬効が確認され,安全域も拡がった.YM-254890はG<sub>q/11</sub>が関与する種々の疾患の治療薬となり得る可能性が示唆された.また,本剤はG<sub>q/11</sub>のGDP/GTP交換反応を阻害するユニークな化合物であり,Gタンパク質活性化機構,G<sub>q/11</sub>媒介性シグナル伝達あるいはG<sub>q/11</sub>の生理機能を解明する有用なバイオプローブとなることが期待される.<br>

収録刊行物

  • 日本薬理学雑誌 : FOLIA PHARMACOLOGICA JAPONICA  

    日本薬理学雑誌 : FOLIA PHARMACOLOGICA JAPONICA 128(1), 23-31, 2006-07-01 

    公益社団法人 日本薬理学会

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被引用文献:  1件

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各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    10018333501
  • NII書誌ID(NCID)
    AN00198335
  • 本文言語コード
    JPN
  • 資料種別
    REV
  • ISSN
    00155691
  • NDL 記事登録ID
    8020647
  • NDL 雑誌分類
    ZS51(科学技術--薬学)
  • NDL 請求記号
    Z19-247
  • データ提供元
    CJP書誌  CJP引用  NDL  J-STAGE 
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