血小板減少を来した悪性血管内皮細胞腫の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Malignant Haemangioendothelioma with Thrombocytopenia
  • 症例 血小板減少を来した悪性血管内皮細胞腫の1例
  • ショウレイ ケッショウバン ゲンショウ オ キタシタ アクセイ ケッカン ナイヒ サイボウ シュ ノ 1レイ

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抄録

71歳の女性。2000年5月中旬より左側頭部の紫斑に気付いた。腫瘤を呈してきたため近医を受診した。悪性血管内皮細胞腫の診断で7月初旬当科紹介入院となった。初診時左側頭部に血痂を伴う紫紅色扁平隆起性腫瘤と左前額から頬部にかけて広範囲に紫斑を認めた。rIL-2の動注及び局注,電子線照射にて腫瘤は一旦縮小したが紫斑は周囲に拡大し続け,それと共に血小板減少が出現した。当初播種性血管内凝固症候群(以下DIC)の所見はなかった。薬剤中止後も血小板数は改善しなかったため,薬剤の副作用によるものとは考え難かった。脾腫は無く,抗血小板抗体は陰性であった。紫斑拡大の勢いと平行していたことから,血小板減少の原因を腫瘍内での血小板消費亢進と考えた。多発骨転移を認めた後DICを併発し,11月末,右肺S6転移巣の穿孔に伴う多量の血性胸水貯留による圧迫性無気肺と,両肺への多発転移による呼吸不全で永眠された。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 68 (2), 158-161, 2006

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (10)*注記

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