「環境調和型社会」へ動き出した中国とわが国政府・企業

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タイトル別名
  • Green Policy in China
  • カンキョウ チョウワガタ シャカイ エ ウゴキ ダシタ チュウゴク ト ワガクニ セイフ キギョウ

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抄録

中国の環境政策は二つの省庁がそれぞれのネットワークを形成し,政策を立案・遂行している。一つは国家発展改革委員会を頂点とする中央集権的ピラミッド型のネットワークである。市場経済化が進む中,このネットワークにおいてはマテリアルフロー管理が強化され,「環境」の名の下でさながら計画経済が復活しつつある。もう一つは国家環境保護総局を中心とした市民参加型のネットワークである。国家環境保護総局は社会の変貌を認識して,政策策定方式を改革し,とくに環境アセスメントの分野において公衆の政策参加を積極的に進めている。環境保護政策の遂行において,中国において,環境保護総局,NGO,マスコミの三位一体の構造が生まれようとしている。<BR>わが国政府・企業の対中協力・ビジネスについては,環境エンジニアリング分野において次第に成果が結実しつつある。経済産業省は国家発展改革委員会と共催で,本年5月,「省エネルギー・環境総合フォーラム」を開催した。日中間の環境協力は今後次第に本格化していくものと見込まれる。<BR>こうしたBtoB型のビジネスに加え,今後はBtoC型の環境ビジネスをもっと促進させる必要がある。環境分野にすぐれた日本製品の新規市場開拓のチャンスであり,「環境」を通じて日本のイメージアップをはかるチャンスでもある。この分野において成果をあげるためには,市民参加型ネットワークの活用が不可欠である。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 60 (11), 1620-1624, 2006

    紙パルプ技術協会

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