高品質苛性化軽カルの開発(その1) : 形状コントロール方法の基礎検討 Development of Manufacturing Process for High Quality Calcium Carbonate by Causticizing Process in a Kraft Pulp Mill (Part 1) : Fundamental Study on the Controlling Method of Calcium Carbonate Morphology

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抄録

近年,製紙原料として炭酸カルシウムの使用量が増加している。炭酸カルシウムは,一般に石灰石を粉砕して製造する重質炭酸カルシウム(重カル)と,人工的に炭酸ガスの吹き込み法等により製造される軽質炭酸カルシウム(軽カル)に分類されるが,より高い品質が得られる軽カルは填料としての使用量が特に大きく伸びてきている。そのような環境の中,新技術としてクラフトパルプの苛性化工程を利用した高品質軽カルの製造技術の開発を検討した。クラフトパルプ工場の苛性化工程においては,蒸解白液と伴に炭酸カルシウムが副生するが,この炭酸カルシウム(苛性化軽カルと呼ぶ)を製紙原料として用いることができれば,安価な軽カルが得られるだけでなく,キルンの焼成負荷を軽減する事ができる。しかし,通常の苛性化軽カルは製紙原料として適したものではない。一般には不純物の蓄積が多く,白色度が低い。また,緑液の清澄度が低い場合にも白色度が大きく低下する。さらに填料として用いた場合にワイヤー摩耗性や不透明度が良好ではない。白色度については原料品質,緑液清澄化が重要と考えられ,填料品質については炭酸ガス法による市販軽カルのように形状を制御することで改善ができると考えられる。<BR>そこで本報では,緑液清澄度の苛性化軽カル白色度への影響について検討した。また,苛性化工程での苛性化軽カルの形状コントロールの基礎的な検討を行なった。その結果,緑液を清澄させることによって市販の炭酸カルシウムに匹敵する高白色度の軽カルが得られることがわかった。また,現行苛性化工程では,生石灰と緑液が同時にかつ連続的にスレーカに添加されるため,消和反応が不十分なまま苛性化反応が始まり,これが不定形の塊状軽カルとなっている主要因である事が分かった。そこで消和と苛性化を基本的に分離し,生石灰品質,消和溶媒,温度等の反応条件を制御した結果,苛性化法によって米粒,紡錘状,針状,イガグリ状の様々な形状の軽カルが得られ,ワイヤー摩耗性や紙の不透明度も向上させることができることがわかった。

Causticizing step is a process to convert green liquor into white liquor in kraft pulping mill, and this process also produces a precipitated calcium carbonate as a by-product. If this causticizing calcium carbonate (CCC) could be extracted from this step as paper making material, the lime-kiln operation would be shortened or stopped ; thus the consumption of fuel oil and the discharge of CO<SUB>2</SUB> gas can be reduced. However, the conventional CCC has serious problem of lower brightness, higher wire abrasion and poor opacifying ability as paper filler. Then, we challenged controlling the morphology of CCC like commercial precipitated calcium carbonate (PCC) . In this paper, slaking and causticizing reactions were separated and precisely controlled, and then various shapes of CCC with high opacifying ability and little wire abrasion could be successfully obtained.

収録刊行物

  • 紙パ技協誌  

    紙パ技協誌 60(11), 1714-1726, 2006-11-01 

    JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY

参考文献:  5件

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各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    10018356266
  • NII書誌ID(NCID)
    AN00379952
  • 本文言語コード
    JPN
  • 資料種別
    ART
  • ISSN
    0022815X
  • NDL 記事登録ID
    8565406
  • NDL 雑誌分類
    ZP19(科学技術--化学・化学工業--紙・パルプ)
  • NDL 請求記号
    Z17-76
  • データ提供元
    CJP書誌  NDL  J-STAGE 
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