左房粘液腫によるsaddle embolism除去後の重症MNMSの1例

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タイトル別名
  • A Case of Myonephropathic Metabolic Syndrome Caused by Aortic Saddle Embolus Originating from a Left Atrial Myxoma

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抄録

Myonephropathic metabolic syndrome (MNMS) は, 救肢・救命が非常に困難な病態である. われわれは, 左房粘液腫によるsaddle embolismに対し, 緊急手術で救肢・救命できた症例を経験した. 手術は, 体外循環開始後, 心停止下にsuperior transseptal approachにて左房に到達し, 左房粘液腫を茎付着部の心房中隔壁とともに摘出した. 再灌流後のショックを予防する目的で体外循環を継続し, 腹部大動脈を切開し, 分岐部に騎乗するように腹部大動脈を閉塞させていた粘液腫を摘出した. 発症10時間後に両下肢の血流は再開された. 術後MNMSを発症したが, 持続血液濾過透析 (continuous hemodiafiltration; CHDF) を行い, 急性腎不全から離脱し, 退院した. 左房粘液腫によるsaddle embolismの治療として体外循環下の経腹的な塞栓子の摘出は, 血流再開時の急性循環不全を予防し, 粘液腫の残存による再発を予防する上で有用と思われた. また, MNMSに対して, 術中のdilution ultra filtration methodと術後早期のCHDFが効果的であった.

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