発症初期に頻回の低血糖を伴った急性発症1型糖尿病の1例

  • 相澤 茂幸
    奈良県立医科大学消化器・内分泌・代謝内科(第三内科) 服部記念病院内科
  • 岡本 新悟
    奈良県立医科大学消化器・内分泌・代謝内科(第三内科)
  • Reza Mohammed Selim
    奈良県立医科大学消化器・内分泌・代謝内科(第三内科)
  • 池中 康英
    奈良県立医科大学消化器・内分泌・代謝内科(第三内科)
  • 榑松 由佳子
    奈良県立医科大学消化器・内分泌・代謝内科(第三内科)
  • 森本 有加里
    奈良県立医科大学消化器・内分泌・代謝内科(第三内科)
  • 小島 邦行
    服部記念病院内科
  • 加藤 佐紀
    服部記念病院内科
  • 福井 博
    奈良県立医科大学消化器・内分泌・代謝内科(第三内科)

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Rapid-onset Type 1 Diabetes with Frequent Early Onset Hypoglycemia
  • 症例報告 発症初期に頻回の低血糖を伴った急性発症1型糖尿病の1例
  • ショウレイ ホウコク ハッショウ ショキ ニ ヒンカイ ノ テイケットウ オ トモナッタ キュウセイ ハッショウ 1ガタ トウニョウビョウ ノ 1レイ

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抄録

症例は35歳の女性.繰り返す低血糖の精査のために入院した.75 g経口ブドウ糖負荷試験(75 g OGTT)直後から高血糖に移行し,インスリン治療を開始することになった.低血糖時の血中インスリンは高値であり,一方高血糖に移行した後の尿中C-ペプチドは著明低値であった.インスリンの頻回注射でも患者の血糖コントロールは困難でbrittle型を呈している.発症が急激であり,膵ラ氏島関連自己抗体が陰性であったことから劇症1型糖尿病が疑われた.しかし膵外分泌酵素の上昇は全く認めず,また病歴から発症前の耐糖能異常があった可能性も考えられた.明らかな診断に至らなかったものの,低血糖の精査入院中,糖負荷試験を契機に1日で高血糖に移行するという劇的な経過を観察し,劇症1型糖尿病(以降劇症1型)の亜型とも捉えられる貴重な症例と考え報告する.

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 49 (10), 791-795, 2006

    一般社団法人 日本糖尿病学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (13)*注記

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