可溶性IL-2受容体の変動を認めた,大うつ病合併2型糖尿病の1例

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タイトル別名
  • A Case of Type 2 Diabetes Mellitus Complicated with Major Depression, in Which a Change of Soluble IL-2 Receptor Was Observed during the Clinical Course
  • 症例報告 可溶性IL-2受容体の変動を認めた,大うつ病合併2型糖尿病の1例
  • ショウレイ ホウコク カヨウセイ IL 2 ジュヨウタイ ノ ヘンドウ オ ミトメタ ダイ ウツビョウ ガッペイ 2ガタ トウニョウビョウ ノ 1レイ

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抄録

症例は81歳男性.1994年から糖尿病と診断され,グリメピリド1 mgにてHbA1C 6%台で推移.2004年から気分の沈みや食欲低下などの抑うつ徴候を認め,同時にHbA1C 7.2%と血糖コントロールが増悪した.検査所見ではFPG(146→237 mg/dl)と可溶性インターロイキン2受容体(soluble interleukin 2 receptor: sIL-2R) (377→1,580 U/ml)の上昇を認めた.強化インスリン療法で血糖コントロールを行い,一日インスリン必要量は最大22単位であった.抗不安薬,抗うつ薬の投与に伴い,うつ症状とsIL-2R (360 U/ml)の改善を認め,インスリン皮下注射は中止可能となり,食事療法のみにて血糖コントロールは良好となった.抑うつ症状が糖尿病の発症や経過に影響を及ぼすことは臨床的に経験するが,本症例では糖尿病増悪に大うつ病が関与し,その機序の一部としてsIL-2R, すなわちT細胞の活性化を介した機序が考えられた.

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 49 (9), 731-735, 2006

    一般社団法人 日本糖尿病学会

参考文献 (28)*注記

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