血液・血管カテーテルからの真菌分離状況と抗真菌薬に対する感受性について

• 小栗 豊子

  順天堂大学医学部附属練馬病院臨床検査部

• 三澤 成毅

  順天堂大学医学部附属順天堂医院臨床検査部

• 中村 文子

  順天堂大学医学部附属順天堂医院臨床検査部

• 近藤 成美

  順天堂大学医学部臨床病理学

• 猪狩 淳

  順天堂大学医学部臨床病理学

• 森 健

  順天堂大学医学部血液内科学

書誌事項

タイトル別名

• Isolation Rate and Antifungal Drug Susceptibility of Yeast Like Fungi Isolated from Blood or Vascular Catheter
• ケツエキ ケッカン カテーテル カラ ノ シンキン ブンリ ジョウキョウ ト コウシンキンヤク ニ タイスル カンジュセイ ニ ツイテ

抄録

1994年から2002年までの9年間に, 血液, 血管カテーテルから分離された酵母様真菌の検出状況と薬剤感受性について検討した.<BR>血液, 血管カテーテルからの主要分離真菌はCandida albicans, Candida parapsilosis, Candida glabrata, Candida tropicalisの順に多く, この4菌種で酵母様真菌の86.1%, 78. 1%を占め, 血管カテーテルからの分離頻度では最近増加傾向が認められた.<BR>MICに及ぼす培養時間の影響を24時間, 48時間の2点につき標準菌株4株および臨床分離株116株について検討した結果, MICは同等ないし1管大きくなる程度であり, 大きな変動は認められなかった. C.albicans, C. grabrataおよびC. tropicalisに対するMCFGのMIC₉₀は≦0.03μg/mLであり, 検討薬剤中最も抗菌力が強く, 一方, Candida guilliermondii (MIC₉₀;0.5μg/mL), C. parapsilosis (同;1μg/mL), その他のCandida (同;1μg/mL) に対してはやや弱かった.Candida属中FLCZに耐性を示す菌種はC. alhicans5株 (4.6%) であった. これらの5株はITCZにも耐性, MCZにも≧4μg/mLのMIC値であったが, MCFGは≦0.03μg/mL, 5-FCは0.125～0.25μg/mL, AMPH-Bは0.25～1μg/mLであった.5-FC耐性株はC. parapsilosisで2株 (同一症例) 認められた. 耐性株が分離された6例の患者背景をみると, 4例は悪性腫瘍, 2例は糖尿病を基礎疾患に有する重症例で, 6例中4例は菌検出後1カ月以内に死亡していた.

収録刊行物

• 感染症学雑誌

  感染症学雑誌 80 (6), 656-664, 2006

  一般社団法人 日本感染症学会

キーワード

• Candida
• fungemia
• antifungal activity
• micafungin
• fluconazole-resistant

詳細情報

• CRID: 1390282680026379264
• NII論文ID: 130004331345
• NII論文ID: 20001026454
• NII論文ID: 10018393802
• NII書誌ID: AN00047715
• DOI: 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.80.656
• ISSN: 1884569X
• ISSN: 03875911
• NDL書誌ID: 8596119
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I8596119
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2007107526
• データソース種別:
  • JaLC
  • NDL
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可