心房内血栓症がみられた心筋症罹患猫の1例

  • 堀 泰智
    北里大学獣医畜産学部 小動物内科学研究室
  • 佐藤 真伍
    北里大学獣医畜産学部 小動物内科学研究室
  • 島村 俊介
    北里大学獣医畜産学部 小動物外科学研究室
  • 村上 寧
    北里大学獣医畜産学部 附属動物病院
  • 樋口 誠一
    北里大学獣医畜産学部 小動物内科学研究室

書誌事項

タイトル別名
  • 症例報告 心房内血栓症がみられた心筋症罹患猫の1例
  • ショウレイ ホウコク シンボウナイ ケッセンショウ ガ ミラレタ シンキンショウ リカン ネコ ノ 1レイ

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抄録

アメリカン・ショートヘアーが突然の後躯麻痺を主訴に当院を受診した。胸部X線検査では心陰影の拡大,血液生化学検査ではCPKおよび LDHの著増がみられた。心エコー図検査では左心室内腔の拡張と左心室壁の菲薄化ならびに左室内径短縮率の低下が観察された。このことから拡張型心筋症を疑い内科療法を行ったが,第56病日には左心房内に高エコーマスがみられ血栓形成が疑われた。血栓塞栓症は猫の心筋症に併発することが広く知られており,本症例でも左房内血栓が心室拡張期に僧房弁口を閉塞し,左室の血液充満を障害したと考えられた。本症例は第57病日に死亡したが,病理検査を行うことはできなかった。肥大型心筋症の猫においても末期には遠心性肥大を起こすことが報告されおり,拡張型心筋症との鑑別が重要であると考えられた。

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参考文献 (12)*注記

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