ウロキナーゼによるカテーテル誘導血栓溶解療法が奏功した鎖骨下・腋窩静脈血栓症の2例

• 内田 智夫

  水戸赤十字病院外科

書誌事項

タイトル別名

• Subclavian and Axillary Vein Thrombosis Treated by Catheter Directed Thrombolysis Therapy with Urokinase: Report of Two Cases

抄録

ウロキナーゼの局所持続注入が奏効した鎖骨下・腋窩静脈血栓症を経験したので報告する．【症例1】43歳女性．マッサージを受けた翌日より右上肢の腫脹が出現し，発症後3日目に受診．右肘窩よりカテーテルを挿入して造影したところ鎖骨下静脈の閉塞を認めた．カテーテルの先端と側孔が血栓に当たるように留置し，ウロキナーゼ24万単位とヘパリン1万単位を24時間で持続注人した．3日後の造影検査では一部血栓が溶解し上肢の腫脹も軽減した．【症例2】16歳男性．左投げ野球投手．左上肢の腫脹が出現し，発症後2日目に受診．左肘窩より造影検査を施行し，鎖骨下静脈血栓症と診断．症例1と同様の局所持続注入を施行した．5日目の造影で血栓は一部溶解しており腫脹も軽減した．父親に左下肢深部静脈血栓症の既往があり，AT Ⅲ活性が本人と父親ともに低く，type ⅡのAT Ⅲ欠乏症と診断した．2例とも現在ワーファリンを服用中である．上肢静脈血栓症はまれだが，急な上肢の腫脹が出現した場合はそれを疑い，早急に診断治療を行うことが重要である．

収録刊行物

• 静脈学

  静脈学 17 (5), 275-280, 2006

  日本静脈学会

キーワード

• 鎮骨下静脈血栓症
• 腋窩静脈血栓症
• Paget-Schroetter症候群
• AT III欠乏症
• 血栓溶解療法

詳細情報

• CRID: 1390574181068599552
• NII論文ID: 10018449647
• NII書誌ID: AN10186004
• DOI: 10.7134/phlebol.17-5-275
• ISSN: 21865523
• ISSN: 09157395
• Web Site: https://www.jstage.jst.go.jp/article/phlebol/17/5/17_17-5-275/_pdf
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2007108915
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可