寛解導入療法中に上矢状静脈洞血栓症を来たした急性リンパ性白血病

書誌事項

タイトル別名
  • Superior sagittal sinus thrombosis during remission induction therapy for acute lymphoblastic leukemia
  • 症例報告 第156回日本臨床血液学会例会:長江知樹例会長 推薦演題 寛解導入療法中に上矢状静脈洞血栓症を来たした急性リンパ性白血病
  • ショウレイ ホウコク ダイ156カイ ニホン リンショウ ケツエキ ガッカイ レイカイ ナガエトモキ レイカイチョウ スイセン エンダイ カンカイドウニュウ リョウホウ チュウ ニ ジョウヤジョウ ジョウミャクドウ ケッセンショウ オ キタ シタ キュウセイ リンパセイ ハッケツビョウ

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抄録

上矢状静脈洞血栓症 (SSST) は経口避妊薬投与後の凝固障害, DIC, 静脈洞周囲の感染, 腫瘍の圧迫・浸潤, 先天性プロテインC・S欠損症などで発症が報告されているが, 血液腫瘍に伴う発症やL-アスパラギナーゼ (L-Asp) 投与後の発症の報告は稀である。我々は成人急性リンパ性白血病 (ALL) の寛解導入療法中にSSSTを併発した症例を経験した。症例は25歳男性, 左顔面神経麻痺にて発症した。骨髄穿刺, および腰椎穿刺にてT-ALL, CNS浸潤と診断し, 1-AdVPによる寛解導入療法, 髄注を開始したところ, day29に全身痙攣が出現し, 画像検査にてSSSTと診断した。血液疾患患者において (1) リンパ系腫瘍 (特にALL), (2) L-Asp投与, (3) CNS浸潤, (4) 髄注の4点はSSST発症の危険因子である可能性があり, 神経症状出現時にはCNS浸潤や脳出血に加えてSSSTも稀ながら念頭に置く必要がある。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 47 (12), 1533-1538, 2006

    一般社団法人 日本血液学会

参考文献 (16)*注記

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