口腔扁平上皮癌におけるThymidine Phosphorylaseの発現と抗癌剤有効性への影響

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タイトル別名
  • INFLUENCE OF THYMIDINE PHOSPHORYLASE EXPRESSION ON RESPONSE TO ANTI-TUMOR AGENTS IN ORAL SQUAMOUS CELL CARCINOMA

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抄録

Thymidine phosphorylase(TP)はフッ化ピリミジン系抗癌剤の代謝に関わる酵素であるが,効果予測因子としての検討は少ない。そこで今回,口腔扁平上皮癌31例を対象としてneoadjuvant chemotherapy前の生検組織中のTPの発現を画像解析を用いて定量的に評価した。さらに,他の腫瘍関連因子の影響を考慮に入れて多変量解析を行い,薬剤有効性に対するTPの影響を検討した。奏効群(14例)と非奏効群(17例)に分け,判別分析を使い変数増加法で分析を行った。分析の結果,この2群を有意に判別することができた。判別の予測に有効変数はthymidylate synthase(TS),TP,poliferating cell nuclear antigen(PCNA)およびnuclear polymorphismであった。判別に寄与している因子はTS,TPおよびPCNAであった。また,正判別的中率は奏効群が0.86,非奏効群が0.76と良好な値を示した。以上より,TPはTSの次に抗癌剤効果予測に影響を及ぼす重要な因子と考えられた。

収録刊行物

  • 頭頸部癌

    頭頸部癌 32 (4), 434-438, 2006

    日本頭頸部癌学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (15)*注記

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