喉頭癌に対する超選択的動注化学療法―声門癌と声門上癌の治療は同じでよいか―

  • 吉崎 智一
    金沢大学大学院医学系研究科感覚運動病態学
  • 室野 重之
    金沢大学大学院医学系研究科感覚運動病態学
  • 脇坂 尚宏
    金沢大学大学院医学系研究科感覚運動病態学
  • 近藤 悟
    金沢大学大学院医学系研究科感覚運動病態学
  • 古川 仭
    金沢大学大学院医学系研究科感覚運動病態学

書誌事項

タイトル別名
  • SUPERSELECTIVE INTRA-ARTERIAL CHEMORADIOTHERAPY FOR LARYNGEAL CANCER-IS IT REASONABLE TO TREAT GLOTTIC CANCER IN A SIMILAR WAY TO SUPRAGLOTTIC CANCER?-
  • —IS IT REASONABLE TO TREAT GLOTTIC CANCER IN A SIMILAR WAY TO SUPRAGLOTTIC CANCER?—
  • ―声門癌と声門上癌の治療は同じでよいか―

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抄録

Robbinsらの動注化学療法は,150mg/m2のシスプラチンをseldinger法で投与する方法で,進行頭頸部癌に対して著しい局所制御率を示し注目されている。しかし,喉頭癌は一般に他の頭頸部癌と比較しても腫瘍体積は小さい。したがって,Robbinsらの原法よりも少量のシスプラチンで制御可能であると考えられる。stage II―IV喉頭癌35例のうち,治療上2年間以上経過観察できた20例を対象とした。シスプラチン100mg/bodyを3週に一回,放射線治療期間中に投与した。シスプラチン投与時にモル比200倍相当のチオ硫酸ナトリウムを静脈投与した。対象の20例(声門癌10例,声門上癌10例)において喉頭温存率は声門癌80%,声門上癌70%,無病生存率は声門癌80%,声門上癌50%であった。毒性については,Grade 3以上は我々の方法で28.5%に過ぎないのに対して,RADPLAT(RTOG9615)では83%,RTOG9111では77%であった。声門上癌に対しても超選択的動注化学療法は有効であるが,それ以上に化学放射線感受性が声門上癌よりも低く,リンパ節転移の頻度も低い声門癌は,局所治療として強力な超選択的動注化学療法のよい適応と考える。

収録刊行物

  • 頭頸部癌

    頭頸部癌 32 (4), 464-467, 2006

    日本頭頸部癌学会

被引用文献 (9)*注記

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参考文献 (16)*注記

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