添加物により融点を降下させたトリメチロールエタン三水和物の冷熱用潜熱蓄熱材としての特性評価

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タイトル別名
  • Evaluation of Trimethylolethane Trihydrate Containing Additives Lowering the Melting Point for Cold Heat Storage
  • テンカブツ ニ ヨリ ユウテン オ コウカ サセタ トリメチロールエタン 3 スイワブツ ノ レイネツヨウ センネツチクネツザイ ト シテ ノ トクセイ ヒョウカ

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抄録

278から293 K程度で蓄放熱可能な新規な低温用の潜熱蓄熱材(PCM, Phase Change Material)の開発を目的として,トリメチロールエタン(TME, Trimethylolethane)三水和物に種々の無機質および有機質の添加物を5–30 wt%加えたPCM試料について示差走査熱分析(DSC, Differential Scanning Calorimetry)を行い,融解温度,融解潜熱量を指標とする特性評価を行った.<br>その結果,<br>1.添加物の種類によらずTME·3H2Oを主成分とするPCMは添加物の重量比が増大すると融解温度が303 Kから降下した.融解温度の降下の程度は添加物の種類により異なった.<br>2.添加物としてNaCl,KCl,CaCl2,NH4Cl,NaNO3,KNO3,CH3COONaおよび尿素を加えた試料は,未添加のTME·3H2Oの融解温度である303 Kから,286から300 Kまで融解温度が低下した.中でも,15 wt%以上の尿素を添加したPCMは,添加量割合によって融解温度が調整でき,未添加のTME·3H2Oと比較して融解温度を最大17 K程度降下させ得,融解潜熱量は尿素の添加割合が変化しても大差なく,TME·3H2Oより27%減少した.<br>3.尿素を添加することにより融解温度が低下したTME試料のうちTME/水/尿素=46.9/28.1/25.0はアルミニウム,ステンレス鋼に対する腐食性はほとんどないことが確認された.

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