脳転移巣摘出後に発見された直腸癌の1例

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タイトル別名
  • A case of rectal carcinoma discovered after extracting a single brain metastasis
  • 症例報告 脳転移巣摘出後に発見された直腸癌の1例
  • ショウレイ ホウコク ノウテンイソウ テキシュツゴ ニ ハッケンサレタ チョクチョウガン ノ 1レイ

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抄録

症例は79歳女性.入院9カ月前より意欲低下あり,入院1カ月前より抑うつ状態にて抗うつ薬を投与され経過観察されていたが,尿・便失禁をするようになった.入院2日前より経口摂取不良となり,当科入院.頭部CTにて,右前頭葉に広範囲に低吸収域を認め,MRIでは径3cmの不均一ながら強く造影される腫瘤を認め,周囲には浮腫を伴っていた.入院1カ月後,脳腫瘍全摘術が施行された.組織診断では転移性脳腫瘍が疑われ,全身の精査を施行されたが(大腸内視鏡検査は拒否された.),原発巣の発見には至らず経過されていた.脳腫瘍摘出から約5カ月後,下血し,大腸内視鏡検査にて直腸に腫瘍が認められ,Hartman手術を施行された.病理学的診断は低分化腺癌で,先に摘出された脳腫瘍の組織像にも同様の所見がみられ,直腸癌の脳転移として矛盾しない所見であった.大腸癌の孤立性脳転移は肝・肺転移に比較して稀である.文献的考察を加えて報告する.<br>

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参考文献 (17)*注記

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