へパリン起因性血小板減少症により増悪した下肢深部静脈血栓症にurokinase大量投与による線溶療法が著効した1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case in Which Deep-vein Thrombosis (DVT) of the Leg Worsened Due to Heparin-induced Thrombocytopenia (HIT) Improved after Fibrinolytic Therapy Using a Large Dosage of Urokinase (UK)

この論文をさがす

抄録

<p>症例は73歳,男性で,左下肢の深部静脈血栓症(DVT)にurokinase(UK)とへパリン1万単位/日/7日間の治療が行われた.へパリン投与開始から12日後に急激な血小板数減少と下肢腫脹が増悪したので転院になり,へパリン起因性血小板減少症(HIT)とこれに伴うDVTの増悪を診断した.治療はアルガトロバンによる代替抗凝固療法とUK72万単位(3000単位/kg/時間)大量投与での血栓溶解療法を計4回施行した.下肢の疼痛はUK大量投与直後から軽快し,下肢腫脹は2日後に軽減し始めた.以後,UK投与量を12万単位に減量し漸減中止した.血小板数は次第に回復し,新たな動静脈血栓の合併もなく退院した.本症例は,HITによりDVTが増悪し,UK大量投与により治療し得た1例であった.</p>

収録刊行物

  • 静脈学

    静脈学 18 (1), 21-25, 2007

    日本静脈学会

参考文献 (15)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ