小開腹下血管内手術が奏功した門脈血栓症の1例

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タイトル別名
  • A Successful Case of Endovascular Surgery for Portal Vein Thrombosis

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抄録

<p>症例は68歳,女性.1971年,総胆管嚢腫に対し嚢腫切除,胆管空腸吻合術を施行された.2002年に門脈血栓症を指摘されたが,明らかな臨床症状を認めず経過観察となった.2004年10月より,時々タール便を認めた.2005年3月,タール便と重度の貧血を呈し,精査加療目的に入院となった.血管撮影検査を施行したところ,門脈閉塞に伴い挙上空腸静脈が側副血行路として拡張し,肝門部で静脈瘤を形成していた.同静脈瘤が下血の原因と考え,同年5月,挙上空腸静脈ー下大静脈シャント術を施行した.経過良好で下血も改善したが,同年10月に下血が再燃した.血管撮影検査にて,作製したシャントの閉塞を認めたため,同年11月,小開腹にて腸間膜静脈を露出し,血管内手術にて挙上空腸静脈のコイル塞栓術を施行した.静脈瘤への血流は消失し,求肝性の血流は他の側副血行路より保たれた.術後綣過は良好で,現在外来にて経過観察中である.</p>

収録刊行物

  • 静脈学

    静脈学 18 (1), 27-31, 2007

    日本静脈学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (9)*注記

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