免疫抑制薬タクロリムスの薬物動態に及ぼす薬物代謝酵素およびトランスポータの遺伝子多型の影響 Effect of genetic polymorphism of cytochrome P450 3A and transporter gene on pharmacokinetics of tacrolimus, a calcineurin inhibitor

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抄録

カルシニューリン阻害薬であるタクロリムスは主にチトクロムP450 3A4(CYP3A4)およびCYP3A5で代謝され,multidrug resistance protein 1(MDR1)の基質になる.また,CYP3A4,CYP3A5およびMDR1には遺伝子多型が存在することが知られている.そこで,これらの薬物代謝酵素およびトランスポータの主要な遺伝子多型を紹介し,タクロリムスの薬物動態に及ぼす影響を整理した.<i>CYP3A4*1</i>の変異である<i>CYP3A4<sup>*</sup>1B</i>,<i>CYP3A5<sup>*</sup>1</i>の変異である<i>CYP3A5<sup>*</sup>3</i>,MDR1のexon 21の2677G>T/Aおよびexon 26の3435C>Tの変異等の発現には人種差が存在する.<i>CYP3A5<sup>*</sup>1/<sup>*</sup>1</i>または<i>CYP3A5<sup>*</sup>1/<sup>*</sup>3</i>を有する患者の投与量換算したタクロリムスのトラフ濃度(C/D)および血中濃度―時間曲線下面積(AUC/D)は,<i>CYP3A5<sup>*</sup>3/<sup>*</sup>3</i>を有した患者(CYP3A5を発現していない)に比べて減少する.MDR1では遺伝子多型の影響が認められたという報告と認められなかったという報告が混在している.タクロリムスの薬物動態には肝臓と消化管の両方に存在しているCYP3A4,CYP3A5およびMDR1の遺伝子多型が複雑に絡み合って影響しているものと推察され,最近での報告例のように,他の遺伝子多型等の諸因子を統一した条件で,目的とする遺伝子多型の影響を詳細に評価する必要があるように思われる.<br>

収録刊行物

  • 日本薬理学雑誌 : FOLIA PHARMACOLOGICA JAPONICA  

    日本薬理学雑誌 : FOLIA PHARMACOLOGICA JAPONICA 128(6), 395-404, 2006-12-01 

    公益社団法人 日本薬理学会

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各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    10018553401
  • NII書誌ID(NCID)
    AN00198335
  • 本文言語コード
    JPN
  • 資料種別
    REV
  • ISSN
    00155691
  • NDL 記事登録ID
    8558536
  • NDL 雑誌分類
    ZS51(科学技術--薬学)
  • NDL 請求記号
    Z19-247
  • データ提供元
    CJP書誌  CJP引用  NDL  J-STAGE 
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