ペグインターフェロンとリバビリンとの併用療法中に発症した自己免疫性1型糖尿病の3例

書誌事項

タイトル別名
  • Three Cases of Autoimmune Type 1 Diabetes Mellitus During Treatment with PEG-Interferon and Ribavirin
  • 症例報告 ペグインターフェロンとリバビリンとの併用療法中に発症した自己免疫性1型糖尿病の3例
  • ショウレイ ホウコク ペグインターフェロン ト リバビリン ト ノ ヘイヨウ リョウホウ チュウ ニ ハッショウ シタ ジコ メンエキセイ 1ガタ トウニョウビョウ ノ 3レイ

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抄録

C型肝炎に対するペグインターフェロン(PEG-IFN)α2bとリバビリン併用療法中に発症した1型糖尿病を3例経験した.症例1は52歳男性で,治療開始4カ月後にはHbA1c 5.0%であったが6カ月後にHbA1c 10.1%と高血糖を認め,インターフェロン(IFN)治療は中止しインスリン強化療法を開始した.症例2は63歳女性で,IFN治療開始2カ月後にケトアシドーシスで糖尿病と診断された.HbA1cは2カ月で5.0%から8.4%に上昇し,IFN治療は中止しインスリン強化療法を開始した.症例3は49歳男性で,治療開始4カ月後に血糖554 mg/dl, HbA1c 7.1%となった.インスリン強化療法を行いながらIFN治療は続行した.3例とも発症時の抗GAD抗体陽性であった.従来よりIFN治療中に発症した1型糖尿病の報告はあるが0.1%以下と少ない.PEG-IFNとリバビリンの併用療法により,われわれは143例中3例(2.1%)の1型糖尿病の発症を経験しており,自己免疫に与える影響が大きい可能性があるため注意を要すると考えられる.

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 50 (1), 37-40, 2007

    一般社団法人 日本糖尿病学会

被引用文献 (5)*注記

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参考文献 (20)*注記

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