Pseudomonas属細菌の同定に用いるゼラチン液化試験とカゼイン分解試験の比較

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  • Pseudomonasゾク サイキン ノ ドウテイ ニ モチイル ゼラチン エキカ シケン ト カゼイン ブンカイ シケン ノ ヒカク

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抄録

ゼラチンの液化はPseudomonas属細菌の同定に古くから用いられてきたが,実験上結果の判定に困難を伴うことがある.そこで,判定の確実性,実験の簡便性を目的としてゼラチンの代わりにカゼインを用いるタンパク質分解を試験した.5種類のゼラチン液化試験および3種類のカゼイン分解試験を行い,それぞれ最適と思われる方法として穿刺培養による肉汁ゼラチンの分解,画線培養による肉汁スキムミルク寒天平板のスキムミルクの分解を選択した.Pseudomonas15種156株を用いて,上記の試験を行った結果,約2%の差があるもののカゼインの分解は確実性,簡便性の点でゼラチン液化の代わりに用いられることを認めた.しかし,Pseudomonasの種のなかには,ゼラチンを液化(またはカゼインを分解)する菌株としない菌株が混在するものがあるので,これらの性状の同定上の評価にはこのことを考慮しなくてはならない.

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