食道癌経過観察中に内視鏡治療を行った下咽頭癌の臨床的検討

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タイトル別名
  • Clinical Analysis of Hypopharyngeal Carcinoma Treated by Endoscopic Mucosal Resection during Esophageal Cancer Follow-up
  • ショクドウガン ケイカ カンサツ チュウ ニ ナイシキョウ チリョウ オ オコナッタ カ イントウガン ノ リンショウテキ ケントウ

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抄録

食道癌治療前後にスクリーニング検査として消化器内視鏡検査を行い, 7症例8病変の下咽頭癌を表在癌として発見した。平均年齢は70.5歳, 全例男性であった。観察方法は上部消化管内視鏡検査の通常観察を行い粘膜変化を捉えた。発見動機は隆起性病変が6病変, 粘膜発赤が1病変, ヨード不染が1病変であった。すべてが下咽頭に位置していた。治療方法は8病変のうち6病変に対して内視鏡的粘膜切除術 (EMR-C法) を行った。小不染帯多発を示した1例に対してアルゴンプラズマ凝固療法を施行した。残る1例は範囲が広いため内視鏡治療を止め放射線治療を施行した。切除病変の組織型はすべて扁平上皮癌であった。断端は6例中4例 (66.7%) が陽性であった。EMR-C法による合併症や治療関連死は認めなかった。再発死亡は観察期間1~41カ月 (中央値17カ月) で2例に認めた。頸部リンパ節再発と頸部リンパ節再発および肝, 肺への転移が原因であった。下咽頭癌に対する内視鏡的粘膜切除の導入は臓器や機能温存に優れているが, 手技の困難性や長期予後がまだ明らかでないためさらなる検討を要する。

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