ウエルシュ菌主要毒素の構造と機能及び活性発現機構に関する研究

  • 櫻井 純
    徳島文理大学薬学部・微生物学教室

書誌事項

タイトル別名
  • Structure-function and mode of action of major toxins from <I>Clostridium petfringens</I>
  • ヘイセイ 18ネン アサカワショウ ジュショウ ロンブン ウエルシュキン シュヨウ ドクソ ノ コウゾウ ト キノウ オヨビ カッセイ ハツゲン キコウ ニ カンスル ケンキュウ

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抄録

ウエルシュ菌が産生する多くの毒素の中で主要毒素と言われているα, β, εそして, L毒素は, いずれもユニークなタンパク毒素で, 本菌の感染症と密接に関係していると考えられている. そこで, ウエルシュ菌感染症の解明のため, 主要毒素の構造と機能を解析し, さらに, それぞれの毒素の作用機構について, 1) α毒素は, 毒素自身が有する酵素活性で組織を破壊するのでなく, 標的細胞の細胞内情報伝達系を活性化して恒常性の維持に混乱を与え, 細胞破壊, 致死活性を引き起こすこと, 2) β毒素は, 特異的に血球系細胞に結合し, ラフト上でオリゴマーを形成後, 細胞内情報伝達系に混乱を与え, 致死活性と細胞毒性を示すこと, 3) ε 毒素は, 脳細胞や腎細胞など標的細胞の膜上でオリゴマーを形成して膜障害作用を与えること, そして, 4) 酵素成分と膜結合成分からなる二成分毒素であるし毒素は, 膜結合成分が細胞膜に結合してオリゴマーを形成後, ラフトに集積し, これに酵素成分が結合してエンドサイトーシスで細胞内に侵入し, その後, 初期エンドソームから酵素成分が細胞質に遊離してアクチンをADPリボシル化して細胞毒性を示すことを証明した.

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参考文献 (79)*注記

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