直腸(肛門)膣瘻を合併した潰瘍性大腸炎の治療経験

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タイトル別名
  • Clinical experiences of five cases with ulcerative colitis and recto- or anovaginal fistula

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抄録

潰瘍性大腸炎に直腸(肛門)膣瘻を合併した5例の治療成績を検討した.全例が発症後5年以上経過した全大腸炎型,再燃緩解型で,4例に肛門周囲膿瘍,下部直腸狭窄などの病変があった.難治またはdysplasiaのため4例に大腸全摘,回腸嚢肛門管吻合術を行い,1例は保存的治療中である.瘻孔を含めて直腸を切除した1例と瘻孔部を残し肛門膣中隔を筋皮弁で再建した1例は膣瘻が完全に閉鎖し,瘻孔部を切除した1例は少量の分泌物を認めるのみで,著明に改善した.潰瘍性大腸炎に合併する直腸膣瘻は下部直腸,肛門に長期間強い炎症がある例に発症し,根治には大腸全摘術,回腸嚢肛門管あるいは肛門吻合術が必要と思われた.<br>

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