ベプリジルの基礎と臨床  2.ベプリジルのNa`+´チャネルとCa`2+´チャネルに対する作用

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タイトル別名
  • <I>Actions of bepridil on the Na<SUP>+</SUP> channel and the Ca<SUP>2+</SUP> channels</I>

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抄録

ベプリジルは多様な薬理作用を有する抗不整脈薬である.そのなかでもK+チャネル遮断作用によって心筋細胞の活動電位持続時間を延長することで不応期を延ばす働きが抗不整脈作用の中心となる, さらに, ベプリジルは内向き電流を抑制してNa+チャネル依存性の伝導とCa2+チャネル依存性の伝導, および細胞内Ca2+の過負荷を減らすことで不整脈の受攻性因子を調節する, ベプリジルはNa+チヤネルに対し, 比較的強い膜電位依存性の静止時遮断作用と膜電位依存性の弱い使用依存性遮断作用を有する (IC50: 30-40μM) .一方, ベプリジルはL型Ca2+チャネル (IC50: 0.5-2.0μM) とT型Ca2+チャネル (IC50: 0.4-10.0μM) に対してほぼ同等にかつ膜電位依存性にこれを抑制する.ここではそのNa+チャネル遮断作用と強力なCa2+チヤネル遮断作用によって, いかにベプリジルが抗不整脈作用を発揮するかを概説する.

収録刊行物

  • 心電図

    心電図 27 (1), 10-20, 2007

    一般社団法人 日本不整脈心電学会

参考文献 (32)*注記

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