ベプリジルの基礎と臨床  7.心室性不整脈に対する効果

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タイトル別名
  • <I>Therapeutic effects of bepridil on ventricular tachyarrhythmias</I>

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抄録

心室性不整脈に対するベプリジルの薬効を臨床例と実験モデルで検討した, 【臨床例の検討】複数の抗不整脈薬に難治性の持続性心室頻拍例に対するベプリジルの効果を検討した.対象は器質的心疾患に伴う持続性心室頻拍の16症例 (57±13歳, LVEF=40±16%) で, ベプリジルの内服量は156±40mg/日であった.以下に主な結果を示す. (1) ベプリジル内服後に, QT (QTc) 間隔は延長したがQRS幅に有意な変化はみられなかった. (2) ベプリジル治療後に6例で心室頻拍が抑制され, 発作回数の減少が3例で認められた.全体での有効率は56%であった.ベプリジル使用に関連した有害事象はみられなかった. (3) ベプリジルが有効であった症例は無効であった症例に比べて, NYHA心機能分類が良好で, 心室頻拍の波形が少なく, QT間隔の延長程度が大きかった.電気生理検査による薬効判定の結果はべプリジルの臨床的有用性と相関した, 【実験モデルでの検討】ベプリジルは徐脈依存性に心室再分極時間を延長したが, 心室貫壁性の不応期分布の不均一性の増大は軽度であった.ベプリジルは交感神経刺激によって誘発される心室性不整脈に対して抑制効果を示した.

収録刊行物

  • 心電図

    心電図 27 (1), 53-60, 2007

    一般社団法人 日本不整脈心電学会

参考文献 (18)*注記

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