<I>Proarrhythmia of bepridil</I>

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  • ベプリジルの基礎と臨床  8.催不整脈作用とその他の副作用について

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ベプリジルはCa2+チャネル抑制作用のみならず, ほとんどのK+チャネルの抑制効果を有している.特にlKsとlKrの双方を同時に抑制することは心室筋の再分極相を過剰に延長させ, QT延長に伴うtorsades de pointes (TdP) を招来する危険性がある.ベプリジルによるTdPの頻度は1%程度であると報告されており, Ia群薬によるTdPと同等か若干高いものと考えられる.ベプリジルを内服中にTdPを発生した患者の多くは200mg/日の量を内服し, 血中濃度は500ng/mLを超えていた.つまり, ベプリジルは血中濃度依存性にQTを延長させる可能性がある, 一方, この血中濃度を超えてもQTの延長が軽微な症例も多く, ベプリジルに過剰に反応する患者が存在することも示唆された.またTdPの発生を予見するQTcの上限値はIa群薬と同様に550msecと考えられた.lksとlkrの双方の抑制は心外膜側の活動電位を顕著に延長させ, T波の逆転を誘発することが動物実験により示されている.今回はこの結果を基に, ベプリジルによるTdPを発生した患者のT波形態を検討した.比較対照群として純粋なlkrチャネル抑制薬であるニフエカラントによるTdP症例を選択した.ベプリジルによるTdP患者では, ニフエカラントのそれと比較して, V5誘導におけるT波が有意に平定化または陰転化していた, ベプリジルは動物実験で示されたように心外膜側の活動電位を延長させ, 再分極相における電気ベクトルを外膜側から内膜側方向へ転じることによりT波極性の変化を招来するものと考えられた.

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