BMP‐2処理した象牙質表面におけるセメント質様硬組織形成のビスフォスフォネートによる抑制

  • 本郷 哲也
    北海道大学大学院歯学研究科口腔健康科学講座歯周・歯内療法学教室
  • 宮治 裕史
    北海道大学大学院歯学研究科口腔健康科学講座歯周・歯内療法学教室
  • 菅谷 勉
    北海道大学大学院歯学研究科口腔健康科学講座歯周・歯内療法学教室
  • 川浪 雅光
    北海道大学大学院歯学研究科口腔健康科学講座歯周・歯内療法学教室

書誌事項

タイトル別名
  • Suppression of cementum-like tissue formation on BMP-2-applied dentin surface by bisphosphonate

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抄録

本研究の目的は,ビスフォスフォネートを投与して破骨細胞様細胞の機能を抑制することでBMP-2処理した象牙質表面における硬組織の形成や象牙質吸収がどのような影響を受けるかを検索することである。<BR>象牙質片を24%EDTA(pH7.0)に3分間浸漬後,0,100,400μg/mlのリコンビナントヒトBMP-2に10分間浸漬処理した。ラットを2群に分け実験群はインカドロネートを1μg/kg /day,3回/週を腹腔より投与し,観察期間終了まで継続した。対照群は生理食塩水を同様に投与した。各群のラット口蓋結合組織に象牙質片を埋植して,2,4,8週後に組織標本を作製し,象牙質吸収率と硬組織形成率を計測した。<BR>象牙質吸収率は実験群が対照群に比較して有意に低かった(p<0.01)。硬組織形成率も同様に実験群が対照群に比較して有意に低かった(p<0.01)。硬組織形成のうち80%程度が吸収面に形成され,20%程度が非吸収面に形成されていた。また,TRAP陽性細胞率はBMP-2濃度0,100,400μg/mlの全実験期間で両群間に有意差はなかった<BR>以上の結果から,ビスフォスフォネートを投与すると,BMP-2処理した象牙質片において,破骨細胞様細胞の機能を抑制し,象牙質の吸収が減少するとともに,硬組織形成も抑制することが明らかになり,BMP-2による象牙質表面への硬組織形成には破骨細胞様細胞が重要な役割を有することが示唆された。

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参考文献 (46)*注記

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