血栓性血小板減少性紫斑病と血球貪食症候群を合併した全身性エリテマトーデスの1例

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  • A case of systemic lupus erythematosus associated with thrombotic thrombocytopenic purpura and hemophagocytic syndrome

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抄録

  症例は,44歳女性.2002年8月多関節痛等出現.11月に多関節痛,白血球減少,抗ds-DNA抗体陽性,抗核抗体陽性,梅毒血清反応偽陽性などから全身性エリテマトーデス(SLE)の診断をうけた.ステロイドにて治療開始後も低補体血症続きコントロール不十分であった.2003年11月発熱,多関節痛,12月に肉眼的血尿,紫斑が出現.12月25日入院となった.破砕赤血球の存在,溶血,血小板減少性紫斑,頭痛,腎障害,発熱から血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)を考えた.また,高フェリチン血症から血球貪食症候群(HPS)を疑い骨髄穿刺液検査を施行.マクロファージによる血球貪食像を認め血球貪食症候群も合併と診断した.メチルプレドニゾロンパルス療法を3日間,後療法にプレドニゾロン60 mgを開始.血漿交換も第1病日より開始した.血漿交換終了後TTPの再燃あり.血漿交換追加にて症状改善した.本症例ではvWF-CP (ADAMTS-13)活性の低下がみられ,抗vWF-CP抗体は陽性であった.TTP, HPSは共にSLEの重要な難治性合併症である.両病態が同時に合併しうることを念頭に置き,迅速に診断することが救命につながる.<br>

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参考文献 (18)*注記

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