胆管, 膵管狭窄を併存した膵仮性嚢胞に対する尾側膵胃吻合の経験

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タイトル別名
  • A Case of Refractory Pseudopancreatic Cyst with Obstructive Jaundice Caused by Chronic Pancreatitis that was Treated with a Distal Pancreatectomy and Reconstruction of a Distal Pancreatogastrostomy

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抄録

胆管閉塞と膵管狭窄を伴う膵仮性嚢胞を呈した手術症例を経験した。症例は37歳, 男性。アルコール性慢性膵炎および膵仮性嚢胞の経過観察中, 嚢胞内感染を併発し経皮的嚢胞外瘻術が施行された。嚢胞造影像上, 膵管と嚢胞との交通, 膵頭部膵管の狭窄が認められた。また慢性膵炎による胆管閉塞から黄疸が出現したが, 内視鏡的ステント留置術により黄疸は軽快した。しかし嚢胞ドレーンからの排液量が減少せず, 炎症所見の持続がみられた。疼痛の持続, 感染の存在, 自然消失が期待できないとされる6週以上の外瘻術を要したため開腹した。膵全体が周囲組織と強固に癒着していたため, 膵尾部, 膵仮性嚢胞, 脾臓を摘出した後, 残膵の断端を胃体部後壁に吻合した。術後, 腹腔内感染が見られたが, 持続的ドレナージにより軽快。感染巣の消失と疼痛の軽減が得られたため, 術39日目に退院となった。術後1年7ヵ月経過時点で, インスリン20単位/日の使用は要しているが, 疼痛も制御されており, 前医での外来経過観察中である。

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参考文献 (16)*注記

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